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術後の経過の実際 (順調な経過をとった場合の目安です。)
段落 手術終了後は集中治療室に戻ります。
手術の当日または翌日に人工呼吸器を取り外します。したがって、翌日の面会時間には、お話ができます。
翌日または翌々日に集中治療室から一般病棟に移り、食事とリハビリが始まります。
腹部大動脈瘤の場合は約1週間、胸部大動脈瘤の場合は約2週間、大動脈解離は約3週間のリハビリテーションを行い退院できるまでに回復します。


段落 1)胸部大動脈手術の術後
胸部大動脈手術の術後入院期間は、およそ2〜3週間です。はじめの1〜2日間は集中治療室で過ごし、5日目にシャワー入浴を行い2〜3週間で退院となります。

段落 <当日>
手術が終わってもすぐには目がさめません。心臓手術の麻酔は通常の麻酔よりも深いため、当日の夜遅くか、あるいは翌日に目がさめます。目がさめても、呼吸に必要なチューブが口に入っていて、人工呼吸器が接続されているため、話ができません。この時点では、無理に呼吸をしようとせず、体の力を抜いて、ゆっくり人工呼吸器にあわせるようにします。

段落 <1日目>
目がさめると看護師が気管内の痰を吸引します。医師あるいは看護師が呼吸をするように指示したら、ゆっくり呼吸をしてください。十分な呼吸ができれば、口のチューブを抜去します。その後は、しっかりとした呼吸を心がけ、自分で痰を出すように努力してください。

段落 <1〜2日目>
点滴や、体に入っているいろいろなチューブが抜けてゆきます。できるだけ、体を起こし、正しい姿勢で座るようにしてください。ベッドサイドで立ったり、少し歩くこともしていただきます。食事もこのころに始まりますが、はじめはうまく飲み込めませんから、気管に入らないように慎重に飲み込むようにしてください。

段落 <1〜3日目>
集中治療室から一般病棟に移動となります。歩くのがやっとというところですが、頑張ってリハビリをすることにより、呼吸状態も安定して、全身の回復が促進されます。 術後は肺に痰が溜まり、肺炎を起こす可能性が非常に高く、これが生命にかかわることもあります。これを防ぐためには、1:しっかりとした呼吸練習、2:確実な排痰、3:体を起こし座ること、4:起立歩行が欠かせません。抗生物質はあくまで補助的なもので、肺炎の予防は患者さんの努力に依存する部分が大きいことをご理解下さい。

段落 <一般病棟では>
一般病棟に出たからといって、安心は禁物です。呼吸練習、歩行練習を続け、早期退院を目指してください。大動脈・心臓の手術の後は、"大事を取って休養"と考えがちですが、日中もベッド上という生活は回復を遅らせることになります。昼間はできるだけ椅子に座るような生活を心がけてください。手術からの回復は直線的に良くなって行くものではありません。例えば、3日目までは良くなったのに4日目になったとたん、食欲はなくなるし、夜は眠れず、このままどんどん悪くなっていくような気がすることがありますが、それは回復過程ではしばしばあることです。それまでのリハビリを含めた生活を維持するようにしてください。1-2日で体調は良くなってきます。
術後2〜3週で退院となります。自宅でも、病院で行っていたリハビリを必ず続けてください。一日リハビリを怠ると、それまでのリハビリが無意味となり、急に体調が悪くなることがあります。退院後、一定期間の後に大動脈センター外来を受診していただきますので、それまではしっかりとリハビリに取り組んでください。


 
段落 2)腹部大動脈手術の術後
腹部大動脈手術の術後入院期間は、およそ7日間です。手術創は自然に吸収される糸で縫合されていますので、抜糸の必要はありません。また、体を動かしても手術で吻合した部分が問題となることはありません。できるだけ早く体を動かし、リハビリを進める事で、体の回復が促進されます。

段落 <当日>
手術室で目がさめます。呼吸のための口の管を抜き、一般病室に戻ります。腹部の創は強い痛みがあります。このため、呼吸が浅くなりがちですが、がんばって、大きな呼吸をして、痰を出すようにしてください。

段落 <1日目>
点滴はほとんど抜けます。朝から、トイレ歩行を開始し、午後には歩行リハビリを開始します。昼または夕より、食事を開始します。傷の痛みや熱がありますが、決してベッドで休むことなく、体を起こし、正しい姿勢で座るようにしてください。正しい姿勢で座ることが唯一、肺炎を予防する方法です。

段落 手術後は肺に痰が溜まり、肺炎を起こす可能性があり、生命にかかわることがあります。
肺炎を防ぐためには、1:しっかりとした呼吸練習、2:確実な排痰、3:体を起こし座ること、4:起立歩行が欠かせません。抗生物質はあくまで補助的なもので、肺炎の予防は患者さんの努力に依存する部分が大きいことをご理解下さい。

段落 手術が終わり5日目〜7日目で退院となります。
患者さんご自身には多少の不安があると思いますが、自信を持って、自宅でのリハビリを行ってください。術後1週間を過ぎたら、入浴ができます。退院後は、一定期間の後に大動脈センター外来を受診していただきますので、それまではしっかりとリハビリに取り組んでください。

 
段落 3)退院後の生活
退院後は、それまで通院していた医院や病院で投薬を受けていただきます。大動脈センターの外来は退院後6ヵ月、1年後に受診していただき、健康状態のチェックをさせていただきます。

段落 <食事>
食事に関しては大動脈の手術を受けたあとだからといって、特別なことはありません。つまり、食事が大動脈の手術に何らかの影響を及ぼすということは、まったくありません。したがって、手術の後だからという理由で、食事を制限したり、あるいは"これは、食べてはいけないのでは?"と心配する必要はありません。また、よく言われる"塩分のとりすぎに注意"ということもあまり神経質に考える必要はありません。患者さんのご家族の中には、食事の塩分を過剰に制限したため、患者さん本人の食欲がなくなり食事がまったく摂れないということもしばしば起こっています。極端に塩辛いもの、極端に脂っこいものはいけませんが、ご本人がおいしいと思われる食事を適度にとることが肝要です。

ただし、次のことは考える必要があります。

*何らかの治療上の理由で、食事を制限されている場合。
糖尿病、腎臓病などの疾患により食事制限を受けている方は、退院後も、それまでの食事療法を継続して行う必要があります。糖尿病の場合は、手術のあとは、それまでの糖尿病治療薬の量が少なくてすむことがあるので、主治医とよく相談をして、食事療法を行う必要があります。また、手術において、人工弁を体内に入れた患者さんはワーファリンを内服しているため、ワーファリンに対する食事制限があります。人工弁を使用した患者さんはワーファリン治療の説明を主治医あるいは看護師より受けてください。

*将来に起こる可能性のある生活習慣病に対する予防。
大動脈の疾患は動脈硬化に原因がある場合が多く、これは生活習慣(特に喫煙と食事)が原因になっている可能性があります。大動脈の手術を受けた後でも、その他の重要血管(脳や心臓)に動脈硬化の影響が出る可能性は十分あります。一般的な、動脈硬化を予防するといわれている生活習慣を実践することが肝要です。


段落 <喫煙>
喫煙は呼吸機能を損ない、また動脈硬化の促進因子として非常に悪影響を及ぼします。従って、せっかく手術のために禁煙したのですから、その習慣を続けることは大きなメリットになります。しかし、患者さんの中には、ご高齢で"タバコが唯一の楽しみ"という方もいらっしゃいます。確かに喫煙は体に害を及ぼしますが、そのことが受けた手術に問題を起こすことはありません。従って喫煙に関しては、ご本人ご家族も含め十分お考えになり、喫煙するか、禁煙を続けるか決めていただく必要があります。

段落 <血圧>
血圧の管理もあまり神経質になる必要はありません。血圧が高くなったからといって、手術した人工血管に影響がでることはありません。ただし、現在の高血圧は、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上ということになっていますので、これ以上の血圧の方は、動脈硬化の予防という点から降圧治療を継続することが望ましいです。少なくとも一週間に一度、自宅や病院で血圧を測り、かかりつけの病院で適正な血圧を維持するような治療をすることが大切です。

段落 <運動>
運動が手術に影響を与えることはまったくありません。ただし、骨(胸骨や肋骨)を切っていますので、骨が完全につくまでにはおよそ3ヶ月必要です。この期間はあまり過激な運動は避けてください。3ヶ月が過ぎれば、過激な運動も可能です。それまで、制限されていた水泳やゴルフ、柔道でも、可能です。

段落 <入浴>
手術前に行っていた、自分にあった入浴をしてください。入浴自体が手術に与える影響はありません。温泉も楽しんでいただいて結構です。

 
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