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心臓外科手術 進む専門化

バイパス手術 院内死亡率に格差

 心臓外科手術は主に4種類ある。冠動脈バイパス手術は、心臓の筋肉に酸素と栄養を送る冠動脈が動脈硬化を起こして狭くなり、胸痛や息苦しさなどの症状が表れる狭心症が治療対象だ。病変部の迂回(うかい)路として、胸や足などの血管を移植する。

 血液の逆流を防ぐ心臓弁の開閉が正常にできない弁膜症では、弁の形を整える弁形成術や、金属製などの人工弁に付け替える弁置換術が行われる。

 心臓から全身に血液を送る大動脈に「こぶ」ができる大動脈瘤(りゅう)も怖い病気だ。
手術では病変部を人工血管に置き換える。
また、生まれつき心臓の形に異常がある先天性心臓病では、手術で形を整える。

 

目安は年100件以上

 厚生労働省は、心臓外科手術の合計件数が年間100件以上実施などの条件を満たす医療機関の診療報酬を5%加算している。
読売新聞社は、昨年の該当医療機関と、先天異常を専門にする日本小児総合医療施設協議会加盟の計200施設に、2004年の手術実績をアンケート調査し、159施設(回収率79・5%)から回答を得た。

 総件数と4分野の手術件数を一覧にした。
未回答施設は、社会保険事務局に届け出た総件数のみを示した。

 大学病院は、教育目的もあり各分野を行う傾向が見られるが、近年は医師の専門化も進んでいる。
バイパス手術が多い施設、逆に小児の先天性疾患に実績のある施設など特徴が件数からわかる。

 また、同じ分野の心臓手術でも複数の手法がある。バイパス手術では心臓を止めて人工心肺というポンプを使うが、血栓ができやすく、脳に飛んで脳梗塞(こうそく)を起こすことがある。
この危険を避けるため、心臓が動いた状態で手術するオフポンプ手術が増えている。
こちらの方が高い技量が必要だ。

 弁膜症手術では、金属製の人工弁を入れる弁置換術を受けると、血液を固まりにくくする薬を一生飲まなくてはならない。
弁形成術なら必要ないが、弁置換よりも技術的に難しい。

 「心臓外科が有名な病院」を選ぶのではなく、各分野の件数を参考にして、オフポンプのバイパス手術の経験や弁形成術の実績など具体的に確かめて病院や医師を選びたい。
先天異常の手術はその分野を専門にする医師に相談したい。

 アンケートでは、治療成績も質問した。
手術後に退院できないまま亡くなる院内死亡率は、バイパス手術で医療機関により10%〜0%(平均2・5%)と差があった。

 命に直結する手術だけに、遠慮をせず、自分が受ける手術の昨年の件数や死亡率を医師に質問して欲しい。
信頼できる医師なら、ていねいに説明してくれるはずだ。(坂上博)

 

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